第1章「新聞配達と自転車の冒険」

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新聞配達で学んだこと

私の原点は、小学生の頃に始めた新聞配達にあります。
当時の私はまだ幼く、世間の厳しさもお金の重みも深く理解していなかった。
しかし、毎朝まだ暗い時間に布団から起き上がり、自転車に新聞を積んで走り出すと、眠気と闘いながらも「自分で稼いだお金」という感覚が心を支えてくれました。

新聞配達の仕事は単純に見えて、実は小さな判断力や工夫の積み重ねでした。
雨の日は新聞が濡れないように一枚ずつビニールに入れる。
風の強い日は折り込みチラシの入れ方を変えてバランスを取る。
配達先の犬に吠えられる家では、投函の角度や音に気を使う。
その一つひとつが「どうすれば相手が困らないか」を考える訓練になっていたのです。


自転車に込めた夢

配達で得たお金は、すぐにお菓子や遊びには使いませんでした。
私には夢があったのです。
それは「自分だけの自転車を作る」ということ。

当時はまだインターネット通販などなく、パーツを集めるには通信販売が主流でした。
カタログを食い入るように眺め、ハンドル、サドル、ペダル、タイヤ……一つずつ注文し、

届くたびに胸を躍らせました。
届いたパーツを自宅の庭で組み立てていく時間は、まさに至福のひとときでした。
学校から帰ると作業着に着替え、汗だくになりながらボルトを締める。
時には工具が足りず、近所の工事現場に顔を出して借りてくることもありました。

「なぜこんなに夢中になれるのか」と今振り返ると、それは「自分の力で何かを完成させる喜び」があったからです。
完成した自転車は、ただの乗り物ではなく、私の努力と誇りそのものでした。


沖縄一周の冒険

そして私は、その自転車で一つの大きな挑戦を決意します。
「沖縄一周をしてみたい」——。

小学生にしては無謀な目標でした。
地図を広げ、どのルートを走るかを従兄弟と相談し、リュックに必要な道具を詰め込む。
おにぎりや水筒を持ち、寝袋まで背負って、まるで小さな探検隊のようでした。

実際に走り出すと、道は平坦ではありません。
強い向かい風に体力を奪われ、坂道では自転車を押して歩き、夕暮れになっても目的地に着かない日もありました。
それでも「自分の足で走る」という実感が何より嬉しく、疲れた夜は星空を眺めながら「いつかもっと大きなことを成し遂げたい」と心に誓ったものです。


小学生の私が学んだ人生の教訓

この新聞配達と自転車づくり、そして沖縄一周の経験は、今の私の根幹を形づくりました。

  • お金は努力して得るもの
  • 工夫と継続で夢は形になる
  • 挑戦は困難の連続だが、その先に誇りがある

当時はただ楽しくて、ただ夢中で取り組んでいただけでした。
しかし大人になった今思えば、この時期に得た「挑戦心」「工夫する力」「人を思いやる視点」が、その後の営業、起業、そしてネクストレボリューションの理念「困っている人を助ける」に直結しているのです。

新聞配達で得たお小遣いから始まった小さな挑戦が、後の私の人生を動かす大きな原動力になりました。

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